「名刺やSNSだけでは心もとないので、仕事の問い合わせ窓口になるホームページを作りたい。でも、何で作ればいいのか、何を載せればいいのかが分からない」——フリーランスや個人事業主として活動を始めると、多くの方がここで手が止まります。選択肢が多く、情報もバラバラで、作り始める前に疲れてしまいがちです。
この記事では、フリーランスのホームページを「何で作るか(ノーコードツール・WordPress・外注)」「どんな手順で公開するか」「何を載せるか」「どう問い合わせにつなげるか」を、そのまま使えるチェックリストと文例つきで整理します。結論を先にお伝えすると、まず試すなら無料〜格安のノーコードツール、長く育てて集客の軸にするならWordPress、時間を買いたいなら外注という考え方が目安になります。自分の状況に当てはめながら読み進めてください。
そもそもフリーランスにホームページは必要?
SNSやクラウドソーシングのプロフィールがあれば十分、と感じる方もいるかもしれません。ただ、自分名義のホームページには、他のメディアにはない役割があります。
- 24時間動く「問い合わせ窓口」になる:興味を持った人が、あなたの都合に関係なく仕事の相談を送れます。
- 信頼の裏づけになりやすい:実績・料金・連絡先が1か所にまとまっていると、相手が安心して依頼を検討しやすくなります。
- プラットフォームの変化に備えやすい:SNSの仕様変更やアカウント停止に備えて、独自ドメインやコンテンツのバックアップを自分で管理しておけば、移転時に引き継ぎやすくなります。ただし、利用するサービスの規約や提供終了の影響は受けます。
- 名刺やメール署名から誘導できる:会った人があとから見返す「受け皿」として機能します。
一方で、ホームページを作っただけで仕事が増えるわけではありません。あくまで「問い合わせを受け止める器」であり、そこへ人を呼ぶ動きは別に必要です。案件獲得の全体像はフリーランスの仕事の取り方 完全ガイドで解説していますので、合わせて読むと位置づけが分かりやすくなります。
何で作る?ノーコードツール・WordPress・外注を比較
作り方は大きく3つです。費用・手間・自由度のバランスが違うので、まずは全体像を表で確認しましょう。料金は目安で、各サービスのプランにより変わります(最新情報は公式サイトで確認してください)。
| 作り方 | 費用の目安 | 手間・難易度 | 向いている人 |
|---|---|---|---|
| ノーコードツール (Wix・STUDIO・ペライチ 等) |
無料で公開できるサービスもあり (無料公開の可否はサービスによって異なる) |
やさしい。ドラッグ操作中心 | まず早く・安く公開したい人/ページ数が少ない人 |
| WordPress (レンタルサーバー+テーマ) |
サーバー代 月数百円〜+ドメイン代 (契約期間・初回割引・更新時料金で差) |
中くらい。初期設定と継続管理が必要 | ブログで集客も狙う人/長く自分で育てたい人 |
| 外注 (制作会社・フリーランスに依頼) |
数万円〜数十万円 (制作範囲による概算) |
低い(作業は任せる)。要望整理は必要 | 本業に集中したい人/見栄えと品質を重視する人 |
費用は条件で変わります。WordPressのサーバー代「月数百円〜」は、契約期間・初回割引・更新時の料金によって差が出ます。長期契約の月額換算と毎月の支払額は異なる場合があります。外注の「数万円〜数十万円」は制作範囲による概算で、外注費はページ数・原稿作成・機能・修正回数で変わり、公開後の保守・更新費は別途確認が必要です(最新情報は各公式サイト・見積もりで確認してください)。
ノーコードツール:まず公開したい人の最短ルート
テンプレートを選んで文字や画像を差し替えるだけで形になります。サーバーの知識がいらず、スマホ表示も自動で整うものが多いのが利点です。反面、デザインや機能がツールの枠内に収まりやすく、将来ほかのツールへ引っ越しにくい点は理解しておきましょう。
無料公開の条件はサービスごとに違います。無料公開できるサービスもありますが、ペライチは継続公開に有料プランが必要です。独自ドメイン接続・広告非表示・フォームの上限などもサービスとプランで異なります。主なツールの違いを表にまとめました(2026年10月時点。現行仕様・料金は各公式サイトで確認してください)。
| 項目 | Wix | STUDIO | ペライチ |
|---|---|---|---|
| 無料での継続公開 | 無料プランで継続公開できる(提供元のサブドメイン) | 無料プランで継続公開できる(提供元のサブドメイン) | 2025年10月1日以降、フリープランの公開上限は0ページ。継続公開には有料プランが必要 |
| 独自ドメイン接続 | 有料プランで接続可能 | 有料プランで接続可能 | 有料プランで接続可能 |
| 広告・バナー表示 | 無料プランではサービスのロゴ・バナー等が表示される | 無料プランではサービスのバナー等が表示される | 有料プランで非表示にできる |
| 問い合わせ(フォーム)機能 | フォーム機能あり。項目や送信の上限はプランで異なる | フォーム機能あり。公式料金表の「閲覧回答数上限」がプランで異なる(いわゆる送信数とは区別) | フォーム機能あり。項目や上限はプランで異なる |
各社の現行仕様・料金は公式情報で確認できます:Wix公式ヘルプ、Studio公式料金表、ペライチ公式料金表。
料金は変更されることがあり、たとえばStudio公式料金表でも年払いと月払いで金額が異なります。料金を判断材料にする場合は、税込・支払周期(月払い/年払い)・確認した日付をメモして比較しましょう。ペライチの公開上限についてはペライチ公式ヘルプでも確認できます。
WordPress:集客の軸に育てたい人向け
世界的に使われているソフトで、デザインの自由度が高く、ブログ記事を積み上げて検索から人を呼ぶ使い方に向いています。レンタルサーバーとドメインを用意して設置します。公開後も本体・テーマ・プラグインの更新、バックアップ、セキュリティ対策が必要です。自分で対応するか、保守サービスを利用するかも含めて選びましょう。サーバー選びで迷う場合は、WordPress向けとしてConoHa WINGやColorfulBoxの紹介記事も参考になります(料金・仕様は各公式サイトで確認してください)。
外注:時間を買って本業に集中したい人向け
要望を伝えればプロが形にしてくれます。品質や見栄えは安定しやすい一方、費用がかかり、公開後の更新を自分でできるかどうかが分かれ目になります。依頼する際は「公開後に自分で更新できる形か」「更新のレクチャーがあるか」を必ず確認しましょう。
ホームページを公開するまでの手順
チェックリストだけでは公開まで進めにくいので、全体の流れを順番に示します。作り方によって準備が変わる部分があるので、その点も補いながら進めましょう。
- 目的と掲載内容を決める:誰に何を伝え、どのページを載せるかを先に整理します。
- ツールを選び、必要な準備をする:費用と手間のバランスで選びます。ノーコードツールはアカウントを登録し、WordPressはレンタルサーバーを契約してWordPressをインストールします。外注する場合は、掲載内容や希望などの要件を整理したうえで、見積もりの内容と範囲を確認します。
- 編集・制作する:ノーコード/WordPressはテンプレートを選び、文章・画像・配色を差し替えます。外注の場合は制作を依頼し、上がってきた内容を確認します。
- 公開URLを設定する:無料で始める場合は提供元のURLを利用します。独自ドメインを使う場合は、対応プランと費用を確認して取得・接続します。
- スマホ表示とフォームの送受信を確認する:実機で全ページの表示を見て、テスト送信して受信できるかも確かめます。
- 公開する:公開後も料金・実績・プロフィールを定期的に見直します。
載せるべきページと必要な表示【チェックリスト】
問い合わせ窓口として最低限そろえたいページをまとめました。最初から完璧を目指さず、まずこのリストを埋めることを目標にしてください。保存して、作りながら1つずつチェックしていくのがおすすめです。
- トップページ:何をしている人かが一目で分かる一文+主要ページへの入口
- サービス・料金:提供できること、進め方、料金の目安(「要相談」でも可。何を相談できるか書く)
- 実績・制作例:公開してよい事例。出せない場合は得意分野や対応範囲で代替
- プロフィール:経歴・得意なこと・顔写真やイラスト。人柄が伝わると相談されやすい傾向
- お問い合わせ:フォーム+メールアドレス。返信の目安日数も明記
- (任意)ブログ・お知らせ:更新を続けると検索流入や信頼につながりやすい
特にお問い合わせへの導線は、全ページから迷わずたどり着けるようにしておきましょう。「良いな」と思った瞬間に連絡できないと、機会を逃しやすくなります。
個人情報の取扱い
問い合わせフォームで氏名やメールアドレスを取得する場合は、原則として取得前に利用目的を明示します。フォーム付近に「入力された個人情報は、お問い合わせへの対応・連絡に利用します」などと表示し、実際の取扱いに合ったプライバシーポリシーを案内しましょう。考え方は個人情報保護委員会の情報で確認できます。
特定商取引法に基づく表記
商品・サービスの通信販売を行う場合は、取引内容に応じて法定事項の表示が必要です。相談受付のみの場合とは区別して確認してください。表示の考え方は消費者庁の情報もあわせて確認しておくと安心です(個別の判断は公式情報で確認してください)。
独自ドメインと屋号メールを準備する
ホームページの住所にあたるのが「独自ドメイン」です。無料ツールの初期状態だと、サービス名が入ったアドレス(例:あなたの名前.提供元.com)になることがあります。仕事用としては、自分の屋号や名前だけの独自ドメイン(例:yourname.com)のほうが覚えてもらいやすく、信頼感も得やすい傾向です。
連絡先について、独自ドメインのメール(例:info@yourname.com)は、屋号と連絡先の表記をそろえたい場合に便利です。利用には対応するメールサービスの契約・設定が必要で、追加料金がかかる場合があります。フリーメールでも問い合わせ対応はできますが、名刺やフォームの返信先まで統一したい場合に独自ドメインのメールが役立ちます。取得手順や費用の考え方はフリーランスの独自ドメイン・屋号メールの作り方で詳しく解説しています。ホームページ・名刺・メールの印象をそろえたい方は、名刺・ロゴを安く作る方法も合わせて確認しておくと、全体の統一が取りやすくなります。
問い合わせを増やすコツ・文例とやりがちな失敗
ホームページは「作って終わり」ではなく、相手が行動しやすい状態に整えることで相談につながりやすくなります。難しいテクニックは不要で、次の3点を押さえるだけでも印象が変わります。
- 「誰の・何の悩みを解決できるか」を冒頭に書く:訪問者は数秒で自分向けか判断します。
- 次にしてほしい行動を1つに絞る:「まずはお問い合わせ」「無料相談はこちら」など、迷わせない。
- 返信の目安と流れを書く:相手の「連絡したら面倒では?」という不安を先回りで消す。
そのまま使える文例
お問い合わせページや、サービス紹介の最後に置くと効果的な文例を用意しました。自分の仕事に合わせて書き換えて使ってください。
お仕事のご相談・お見積もりは、下記フォームよりお気軽にお寄せください。
「どこまで頼めるか分からない」という段階のご相談でも大丈夫です。内容を確認のうえ、2営業日以内を目安にご返信します。
はじめての方には、進め方・費用の目安・納期について、できるだけ分かりやすくご案内します。
フォームの項目は「お名前・連絡先・相談内容」の3つ程度に絞ると、入力の途中離脱が起きにくくなります。項目が多すぎると、それだけで問い合わせをためらわれやすい点に注意しましょう。
やりがちな失敗と対策
公開後に「もったいなかった」となりやすいポイントを対策とセットでまとめます。先に知っておくと避けやすくなります。
| やりがちな失敗 | 対策 |
|---|---|
| 完璧を目指して公開できない | まず必要最小限のページで公開し、あとから育てる前提にする |
| 問い合わせ先が見つけにくい | 全ページの上部・下部に問い合わせへの入口を置く |
| スマホ表示が崩れている | 公開前に自分のスマホで全ページを確認する |
| フォームのテスト送信をしていない | 公開前にテスト送信し、受信・返信できるか確かめる |
| 更新が止まり情報が古いまま | 料金・実績・プロフィールだけでも定期的に見直す |
| 外注後に自分で直せない | 依頼時に「自分で更新できる形か」「レクチャーの有無」を確認する |
開業準備全体の段取り(住所・ドメイン・口座・会計など)を一度に見渡したい方は、開業準備 完全ガイドも入口として便利です。
なお、ホームページや名刺、独自ドメイン・屋号メール、Googleビジネスプロフィールの登録などをまとめて任せたい方は、当サイト運営者が提供する開業サポート(相談無料)も参考にしてください。必要な方向けに準備のお手伝いをしています(内容・料金・相談方法は公式ページで確認してください)。
まとめ
フリーランスのホームページは、仕事の問い合わせを受け止める窓口として役立ちます。作り方は、早く安く始めたいならノーコードツール、集客の軸に育てたいならWordPress、時間を買いたいなら外注が目安です。ノーコードツールは無料公開の可否がサービスごとに異なり、ペライチは継続公開に有料プランが必要な点に注意しましょう。
「目的を決める→ツールを選んで準備→編集・制作→公開URLを設定→スマホ表示とフォームを確認→公開」の順で進め、載せるページはチェックリストで最低限をそろえ、個人情報の取扱いや法定表示も確認し、独自ドメインと屋号メールで印象を整え、問い合わせへの導線と文例で「次の行動」を明確にする——この順番で進めれば、迷わず形にできます。まずは本記事のチェックリストを1つずつ埋めるところから始めてみてください。

